聖書と歴史の学習館

ハラン/メソポタミアの古代都市アブラハムゆかりの地

ハラン(ハッラーン・Harran)は、メソポタミア北部の北部(トルコ南東部のシャンルウルファ県)にあった都市で、早期ヘブライ民族の歴史における中心地でした。現在は、県都シャンルウルファの南約40キロメートルに位置する村となっています。

ハランは、アブラハムが、ウルからカナンに向う途中、父テラの家族が住み着いた土地で、メソポタミア北部のバリク川(ユーフラテス川の一支流)沿いの中心都市でした。当時はキリキアとアッシリア、アナトリアとバビロンを結ぶ重要な通商路の交差点でした。月神シン礼拝の中心地でもありました。

ハランはアブラハムがカナンに向う途中で住み着いた土地

アッシリアの粘土板や旧約聖書にその名(聖書名:ハルラン)が記されており、古代ローマ時代には、カルラエ(Carrhae)とよばれていたようです。また、当時の遺跡も残されており、先端部が丸い円錐状につくられていることが特徴で、日干し煉瓦を用いた伝統的住居となっています。

丸い円錐状の日干し煉瓦を用いた伝統的な住居
〔出典・参考〕
ブリタニカ国際大百科事典/デジタル大辞泉/キリスト新聞社「聖書辞典」